東京大学地震研究所 平成8年度特定共同研究(B)
| 日時: | 1月16-17日 |
| 場所: | 東大地震研第2会議室 |
| 研究代表者 | 佐藤春夫(東北大・理) |
| 地震研究所担当教官 | 山下輝夫(東大・震研) |
| WWW 制作 | 鶴岡 弘(学情センター) |
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地球,特にリソスフェアにおける不均質構造は,その中を伝播する地震波に“散乱 と減衰”という2つの顕著な影響を与える.ランダムな不均質構造に関する統計的情 報は,従来の決定論的な情報と相補的に,地球の構造に関する我々の知識を飛躍的に 深めるものと期待される.本研究では,不均質構造における波動伝播のモデルづくり を発展させると共に,観測される地震波から実在する比較的ランダムな不均質構造を 推定するアルゴリズムの構築を大きな目的とする.前年度の研究成果をふまえて,引 き続き以下の3つのサブテーマのもとに研究を実施し,その研究成果発表会を開催した.
A. 不均質構造における地震波エンベロープの研究:地震波エンベロープの形成過程 について,エネルギー輸送理論を基礎にして散乱過程を記述するモデルの構築を行う .特に,波動論とエネルギー輸送理論の接点を調べる.また,実際の解析から不均質 性のスペクトル構造を明らかにし,その地域性をテクトニクスとの関係から考察する .さらには,インコヒーレントな高周波数波動の輻射をインバージョンによって求め る方法を構築する.
B. アレイ解析に基づく不均質性の研究:短波長の不均質構造を表す不均質強度と相 関距離等を求める手法の開発を行い,火山地帯,断層地帯での解析を対象とした解析 を行う.特に,波動場から散乱源を抽出する逆問題の定式化につとめる.
C. 高周波地震波の伝播における素過程の解明: 特にクラックや含有物などの不均質 性が波動場に及ぼす影響に着目し,平均場近似等の解析解による理論的定式化や,計 算機の高速化によって可能となった現実的な数値シミュレーション,レーザー干渉計 を用いた岩石室内実験等に基づき,地震波の散乱の素過程を考察する.
| 氏 名 | 所属機関 | 氏 名 | 所属機関 | |
| 佐藤春夫 | 東北大・理 | 山下輝夫 | 東大・震研 | |
| 小原一成 | 防災科研 | 小菅正裕 | 弘前大 | |
| 西上欽也 | 京大・防災研 | 吉本和生 | 東北大・理 | |
| 鶴岡 弘 | 学情センター | 金尾政紀 | 極地研 | |
| 松波考治 | 京大・防災研 | 赤松純平 | 京大・防災研 | |
| 中原 恒 | 東北大・院 | 渡辺和俊 | 東北大・院 | |
| 松本 聡 | 東北大・理 | 三ヶ田均 | 東大・震研 | |
| 桑原保人 | 地調 | 中西一郎 | 京大・理 | |
| 東野陽子 | 京大・理 | 尾形良彦 | 統数研 | |
| 郭 振棋 | 総合研究・院 | 西村太志 | 東北大・理 | |
| 伊藤久男 | 地調 | 蓬田 清 | 広島大・理 | |
| 菊地正幸 | 横浜市大 | 西澤 修 | 地調 | |
| 河原 純 | 東大・震研 | 村井芳夫 | 気象庁 | |
| 吉岡直人 | 横浜市大 | 北原道弘 | 東海大 | |
| 福井卓雄 | 福井大 |