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Anonymous CVS Server を用いた win ソースファイルの取得

2013-11-12 Wiki に移動、改訂
2011-07-28 改訂
2002-01-23 初版

はじめに

 最新の win のソースファイルをインターネット経由で取得可能な Anonymous CVS server が立ち上がりました。CVS (Concurrent Versions System) とはバージョン管理システムであり、ソース・ファイルの変遷を記録するのに使用します。大規模なソフトウェア開発(例えば OS の開発等)で用いられています。CVS の詳細は下記の リンク集 を御覧下さい。Anonymous CVS server を利用することにより日々(?)バージョンアップされる win のソースファイル群を追跡することが出来ます。

 Anonymous CVS (もしくは, anoncvs として知られています)は離れたところにある CVS リポジトリと同期を取るための機能です。win のユーザが、特別な権限なしに win の公式な anoncvs サーバに読み取り専用で CVS の操作をすることができるようにするためのものです。それを使うには、単に CVSROOT 環境変数を設定して適切な anoncvs サーバを指定し、cvs login を使ってパスワード "anoncvs" を入力して下さい。そして次に、cvs(1) コマンドを使うことで、手元にあるリポジトリと同じようにアクセスでるようになります。

 2002年1月13日より win パッケージは autoconf、automake に対応しました。それに伴い Anonymous CVS server より取得したパッケージを コンパイル・インストールするためには予め autoconf、automake、libtool がインストールされている必要があります。勿論、2002年1月12日以前のソースに関しては必要ありません。

Anonymous CVS を使う

 cvs(1) を設定して Anonymous CVS リポジトリを使うには CVSROOT 環境変数を設定して win の anoncvs サーバを指定します。次のサーバが利用できるようになっています。

CVS は 2000/4/27 以降のほとんどすべてバージョンの win のソースを ``check out''することができますが、cvs(1) の リビジョン (-r) のオプションや win のリポジトリの中でそれをどのように指定したらいいものかということをよく知っておく必要があります。下記のリンク集を参照下さい。

タグには 2 種類あって、リビジョンタグとブランチタグがあります。リビジョンタグは特定の改訂版を指しており、それはいつも同じものを意味しています。一方ブランチタグは、指定されたときの指定された開発の流れにおける最も新しい改訂版を示しています。ブランチタグは特定の改訂版を指していないために、きょうと明日では違うものになっている可能性があります。

ブランチタグの一覧です。

HEAD
最新版の流れです。リビジョンを指定しなかったときにはこれになります。現在は、Version 3 です。
RELENG_2
Version 2.2.22 以降の流れです。Version 2 で重大なバグフィックスのみアップデートされます。
RELENG_1
Version 1.X.Y の流れです。32ビット環境でしか動きません。重大なバグフィックスのみアップデートされます。

リビジョンタグの一覧です。

RELEASE_2_2_22
Version 3.0.0 直前のリリースである Version 2.2.22 です。
NO_PREFIX
長い観測点名に対応する前のバージョンです。

 cvs(1) のマニュアルページの全体をちゃんと読んでからのほうがいいのですが、Anonymous CVS の使い方の本質的なところを簡単に例を挙げて説明します。以下の例はすべて csh(1) 系で示してあります。sh(1) 系の方々は適宜読み換えて下さい。

もし、cvs login の所で、.cvspass が見つからない、というメッセージが出たら、touch ~/.cvspass などとしてもう一度行ってみて下さい。

Example 1.

win の最新のソースファイルをカレントディレクトリの下に取得した後、確認を行い、消してみます。

% setenv CVSROOT :pserver:anoncvs@win.eri.u-tokyo.ac.jp:/usr/home/cvsroot
                    % cvs login
                       プロンプトが表示されたら、パスワード ``anoncvs'' を入力します。
                    % cvs checkout WIN
                    % (確認)
                    % cvs release -d WIN
                    % cvs logout

Example 2.

すでに Example 1. のようにして取得した win のソースファイルを最新のものにします。

% cd (win のソースファイルのあるディレクトリ)
                    % cvs login
                       プロンプトが表示されたら、パスワード ``anoncvs'' を入力します。
                    % cvs update -d
                    % cvs logout

Example 3.

長い観測点名に対応する前のソースファイルを取り出します。

% setenv CVSROOT :pserver:anoncvs@win.eri.u-tokyo.ac.jp:/usr/home/cvsroot
                    % cvs login
                      プロンプトが表示されたら、パスワード ``anoncvs'' を入力します。
                    % cvs checkout -r NO_PREFIX WIN
                    % cvs logout

コンパイルの方法

 ここでは、HEADブランチをコンパイルする方法を説明します。 「はじめに」 にも書きましたが、まずautoconf、automake、libtool とそれらが必要なソフトをインストールしましょう。バージョンは、 autoconf-2.68以上automake-1.11以上libtool-2.4 以上 がいいでしょう。これらより低いバージョンでも動くこともありますが、下の手順だけでは動かないかもしれません。また、RELENG_1はlibtoolは使用していないので、libtoolの部分は必要ありません。

 これらのツールのインストールが終わりましたらコンパイルに必要なファイルを作ります。必要なファイルの作るコマンド及び生成されるファイルは以下の通りです([]内が生成されるファイル)。

% libtoolize  [ltmain.sh]
                    % ln -s /usr/local/share/aclocal/libtool.m4 acinclude.m4

libtool.m4 をパッケージディレクトリのacinclude.m4に持って来ます。libtool.m4のディレクトリはシステムによって異なるので、上はあくまでも一例です。

% aclocal  [aclocal.m4]
                    % autoconf  [configure]
                    % autoheader  [config.h.in]
                    % automake -a [Makefile.in, depcomp, missing, install-sh, config.sub, config.guess, compile]

もしかすると、もう一回、

% aclocal && autoconf && autoheader && automake

を実行しないといけないかもしれません。

この状態で、ftp site にあるパッケージと同じ状態になっているので、後は付属のドキュメントに従ってコンパイルを行えば良いです。configure によるチューニング例は Install を参照下さい。

% ./configure [Makefile, config.h]
                    % make [win 等の実行ファイル]

付録 リンク集

win, cvs, autoconf&automake に関するリンク集です。

win に関するもの

cvs に関するもの

autoconf & automake に関するもの


植平賢司 (UEHIRA Kenji)
uehira@bosai.go.jp

Last-modified: 2020-06-23 (火) 17:23:52