YCU地震学レポートNo.37                            Jan.17,95
 
      1月17日兵庫県南部地震のメカニズム(速報)


今回は地震の解析結果のみを報告します。 なぜかしばらくIRISの広帯域データが手に入りませんでしたが,夕方に なってやっと手に入りました。 主な解析結果は次の通りです。 メカニズム (走向,傾斜,すべり角)=(234,88,169)/(324,79,2) ほぼ純粋な横ずれ型断層(N234Eを走向とすると右横ずれ) 地震モーメント Mo=2.4x10^26 dyne-cm (Mw=6.8) 主破壊の破壊継続時間 T=10s (正味 8〜9s) もう少し細かくみると,主破壊は2つのサブイベントから成っていることが わかります。また,このサブイベントの位置関係から,破壊は北東方向に約 12〜15km進んだことがわかります。サブイベントの詳細は次の通りです。 # 走向,傾斜,すべり角 モーメント 継続時間 1 (233,88,177) 2.0x10^26 (Mw6.8) 5s 2 (329,50,-3.5) 0.5x10^26 (Mw6.4) 4s 破壊面積を S=12x6x2 km^2 (破壊速度2km/s)としますと,すべり量は D = Mo / μS = 11 m 破壊面積を S=18x9x2 km^2 (破壊速度3km/s)としますと,すべり量は D = Mo / μS = 5 m と推定されます。また平均応力降下は Δσ = 2.5 Mo / S^1.5 = 980〜290 bar となり,大変高い値を示します。これは内陸型の地震の特徴です。