YCU地震学レポートNo.34 Dec.20,94
12月19日 神奈川県西部の地震
12月18日に福島県で,19日には神奈川県西部及び東京都西部で地震が
ありました。いずれも規模は4未満と小さかったのですが,震源が大変浅かっ
たため,局所的にはかなり”ドスン”ときたようです。
今回は,神奈川県西部の地震の解析結果を報告します。最大地震についての
神奈川県温泉地学研究所による速報値は次の通りです。
発震時 12月19日午前7時52分
位置 震央 33.335N 139.079E 深さ 12.2km
規模 M 3.5
HKY(温泉地学研究所),SGN(菅野),TKO(高尾)の記録を用いて
得られたメカニズム解と波形の比較を図1に示します。主な震源パラメタは次
の通りです。
メカニズム: 走向,傾斜,すべり角=(95°,78°,110°) 低角逆断層型
深さ: h=12km
大きさ: 地震モーメント Mo=2.7x1014 Nm (Mw=3.6)
破壊継続時間:τ=0.15sec (断層長300m程度!)
応力降下 :かなり高い (Mo/τ3=8x1016 [Nm/s3])
YCUレポート#32で述べたように,この付近では,深さとともに3種類
の異なったメカニズムが見られます。すなわち
A 伊豆半島上盤内(*),北西−南東圧縮の横ずれ型
B プレート境界の低角逆断層型
C フィリッピン海プレート内(下盤)の逆断層
(*)#32で,”ユーラシアプレート内”と書いたところ,某所で批判の
的になったようです。今後このように記述したいと思います。
今回の地震はBに属します。この地域のBとCの地震は概して高応力です。
今回も例外ではありませんでした。
これまでに当方で解析したことのある地震を,図2にまとめてあります。
いわゆる「神奈川県西部地震」との関連では,これら3つのタイプの地震がど
のように絡み合って進行していくか注目されます。