YCU地震学レポートNo.23 Jun.28,93
い ま , 浦 賀 水 道 , 房 総 沖 で 何 が ?
<浦賀水道編>
5月17日に浦賀,6月16日に東京湾の下で小さい地震がありました。昨
年2月2日の地震(M〜6)の震源近くで起こった久しぶりの地震でした。予
想としては昨年と同じようなメカニズム(プレートの方向に圧縮されるタイプ
の逆断層)であろうと思っていましたが,波形を見るとはるかに複雑で,とて
も一筋縄ではいかないものでした。多少苦しまぎれに,2つのサブイベントを
求めてみました。
図2,図3に解析結果を示します。また,初めのサブイベントについての震
源パラメタは以下の通りです。
地震 日 時 位 置 M メカニズム解 Mo Mw
h:m Lat. Lon. h φ,δ,λ dyn.cm
A 5/17 04:53 35.23N 139.71E 89km 3.3 322,45,12 2.2e21 3.5
B 6/16 21:23 35.26 139.78 88 4.0 345,67,-3 6.7e21 3.8
( 防災科技研による )
さらに,昨年の地震との比較のために,メカニズムと位置を図1にプロット
してみました。それぞれの詳細については,平成4年度科研費報告書(菊地・
石田)を参照してください。No.8以外は太平洋プレート内の地震で,ほぼ圧縮
タイプの逆断層として理解されるのですが,6月16日の地震(B)はこれら
とは一致しません。どう解釈すべきか,思案しているところです。 (MK)
No Date Mw h
1 92/2/ 2 5.7 85km
2 2/ 3 4.1 87
3 2/ 5 3.7 88
4 5/20 4.7 86
5 6/10 4.1 85
6 7/16 3.4 86
7 7/26 2.8 89
8 8/26 3.0 55
<房総沖編>
伊東沖の群発地震の発生で多くの研究者の目が伊豆に向けられているところで、
比較的大きい地震が太平洋岸で6月7日に続けて2個、6月15日には3重点近
くで発生しました(図1)。MK教授が「M8クラスの地震が起きた!」と駆け
込んでこられたので、早速解析を始めました。気象庁による震源情報は次の通り
です。(残念ながらマグニチュードは2程度over-estimateでした。)
【event A】
93年6月7日 16時49分
36.1°N 141.6°E
深さ 40km Mj=6.1
【event B】
93年6月7日 22時14分
35.4°N 142.1°E
深さ 52km Mj=5.5
【event C】
93年6月15日 13時42分
34.7°N 142.1°E
深さ 18km Mneid=5.0
南関東地域のSTS観測網と気象庁松代のVBB記録を用いて、MT解析をお
こないました。データはそれぞれevent A には33秒、event BとC には20秒
のローバースフィルターをかけた後、P波から表面波までを用いました。
それぞれのMT解を図1に示します。event AとB は典型的な低角逆断層タイプ
の解が得られています。この地域の地震(比較的規模の大きい地震だけ見ている
だけですが)は、安定してこのタイプのメカニズムに求められるようです(例え
ばYCUレポートNO.9を参照)。event Cは他とは異なる傾向を示しています。
震源が浅いことやプレート3重点付近であることが影響しているかもしれません。
最近、この地域の地震活動は活発で、この規模の地震もかなり発生しています。
YIの怠慢で解析が遅れていますが、次号でまとめて報告する予定です。と、言
っているうちに6月19日にもM5クラスが発生してしまいました。これも次号
までには・・・・・・。(Y)
【解析結果】
event A (図2)
Mo=5x10**24 dyn・cm
低角逆断層タイプ
event B (図3)
Mo=2x10**24 dyn・cm
逆断層タイプ、波形の再現が今一歩なので不確定度大。
event C (図4)
Mo=2x10**24 dyn・cm
NE-SW引っ張りのstrike-slip