EIC地震学ノート No.145              Dec. 26, 03 
東大震研情報センター 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

12月26日イランの地震(Ms6.7) 

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● 概略・特徴: 12月26日1時56分(UT)にイラン南東部ケルマン州で
Ms6.7の地震が発生しました。この地震で倒壊した家屋の下敷きになるなどして
約4000人が死亡、3万人以上が負傷したとも言われています.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央        深さ     M
 03/12/26 01:56  (UT)   29.00°N   58.30°E    normal   6.7

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動26,SH波10)
を用いて解析しました.
●結果: 結果をに示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (175, 85, 153)
 地震モーメント  Mo  =  7.6 x10**18 Nm  (Mw = 6.5)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 13 s
 深さ          H = 4 km
 断層面積            S = 20 km x 15 km
 食い違い       Dmax = 1.0 m
  応力降下         Δσ = 3.7 MPa 

●解釈その他: この付近にはほぼ南北の走向をもつ右横ずれの
活断層があります.これらのどれかが動いた可能性があります.
震源が浅かったことも被害を大きくしていると思われます.


http://bullard.esc.cam.ac.uk/~rwalker/research.htmlより
                            (文責:山中)