EIC地震学ノート No.143              Nov. 17, 03 
東大震研情報センター 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

11月17日アリューシャンRat島の地震(Ms7.3) 

---------------------------------------------------------------- 

● 概略・特徴: 11月17日6時43分(UT)に、アリューシャン列島のRat島付近
でMs7.3の地震が発生しました。USGSによる速報震源は次の通りです。 

    発生時刻           震央        深さ     M
 03/11/17 06:43  (UT)   51.40°N   178.60°E    20 km   7.3

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動33)を用いて
解析しました。
●結果: 破壊開始点としてUSGSの震源を仮定して解析を行いました。その結果
をに示します。主な震源パラメータは次のとおりです。

 走向、傾斜、すべり角 =  (266, 14, 119)
 地震モーメント  Mo  =  5.1 x10**20 Nm  (Mw = 7.7)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 40 s
 深さ          H = 13 km
 断層面積            S = 80 km x 80 km
 食い違い       Dmax = 2.9 m
  応力降下         Δσ = 2.5 MPa 

●解釈その他: プレート境界の地震と考えられます.この付近では1906年に
M7.8の地震が起きています.またその東側では1965年M8.7や1996年M7.9の
地震が起きています.下の図で赤いコンターは今回の地震のすべり分布(0.5m
間隔),緑は1996年の地震のすべり分布(0.5m)を示しています.

                            (文責:山中)