EIC地震学ノート No.71 Nov.3, 99
東大震研情報センター
◆遠地実体波解析◆ ------------------------------------------------
11月2日台湾東部近海の地震(Ms6.1)
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● 概略・特徴: 11月2日午前1時53分(現地時間)、台湾の東部近海を震源と するMs 6.1の地震が起こりました。台湾東部で震度5を記録しました。USGSによる速 報震源は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ Ms 11/01 17:53:00 (UT) 23.21°N 121.29°E 33 km 6.1 ●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録のうち、19地点のデータ (P波上下動)を用いて解析しました。 ● 結果: 結果を図1に示します。主な震源パラメータは次のとおりです。 深さ H = 30 km 走向、傾斜、すべり角 = (16, 38, 83)/(205, 52, 95) 西北西-東南東圧縮の逆断層 地震モーメント Mo = 2.1x10**18 Nm (Mw = 6.2) 破壊継続時間 T = 6 s 断層長(双方向伝播2.5km/sを仮定) L = 3x2.5x2 = 15 km 食い違い D = Mo/μS = 0.6 m 応力降下 Δσ = 4 MPa ●解釈その他: 震央は台湾東部の沖合いにあり、9月21日集集大地震の余震とは 明らかに異なる地震です。しかし力の向きはほとんど同じ西北西-東南東圧縮の逆断 層です。この間のGPSデータに何らかの変化が見られたのかどうか、注目されます。 (文責:菊地・山中)