EIC地震学ノート No.70                   Oct.22, 99

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析◆ ------------------------------------------

 10月22日台湾中部地震(9月21日大地震の余震?)(Ms5.6)

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● 概略・特徴: 10月22日10時過ぎ(現地時間)、台湾中部の嘉義市の近くで、
Ms5.6の地震が起こり、震度6を記録しました。けが人多数出た模様です。USGSによる
速報震源は次の通りです。

     発生時刻         震央    深さ    Ms
 10/22 02:18:59 (UT)   23.5°N  120.5°E    9 km  5.6

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録のうち、6地点のデータ(P波
上下動)を用いて解析しました。観測点分布が偏っていますので、空間分布の分解能は
ありません。

● 結果: 結果を図1に示します。主な震源パラメータは次のとおりです。

 深さ             16 km
 走向、傾斜、すべり角 = (12, 49, 86)  ほぼ東西圧縮の逆断層
 地震モーメント    Mo = 7.7 x10**17 Nm    (Mw =5.9)
  破壊継続時間     T = 4s
 断層長(双方向伝播2.5km/sを仮定)  L = 2x2.5x2 = 10 km
 食い違い          D = Mo/μS = 0.45 m
 応力降下         Δσ = 5.4 MPa

●解釈その他: 震央は9月21日集集大地震の震央の南西約50km余に位置します。
我々の推定した9月21日の震源断層南端より南西方向に約20kmの位置です。また、
今回のメカニズムは9月21日の震源断層よりやや高角です。異なる断層が集集地震
の影響で動いたと思われます。 
                              (文責:菊地・山中)