EIC地震学ノート No.69                  Oct. 18, 99

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析◆ -----------------------------------------------

    99年10月16日南カリフォルニアの地震(Ms 7.3)

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● 概略・特徴: 10月16未明(現地時間2:46)南カリフォルニアでMs7.3の地震
が発生しました。USGSによる速報震源は次の通りです。

     発生時刻         震央     深さ     Ms
 10/16 09:46:45 (UT)   34.5°N  116.3°W    shallow  7.3 

● データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録のうち、20地点のデータ
(P波上下動)を用いました。観測点分布は良好です。

●結果: 結果を図1に示します。浅い横ずれ断層です。
断層に沿った10kmごとの平均滑り量で表現してみました。主な震源パラメータは次の
とおりです。

 深さ      H = 8 km
 走向、傾斜、すべり角 =  (333, 84, 174)
         北北西-南南東に走向を持つ右横ずれ断層
 地震モーメント  Mo  =  5.5 x10**19 Nm  (Mw = 7.1)
  破壊継続時間  T  = 12 s
 主破壊の断層長 (10km間隔のグリッド4個分) L = 40km
     面積(深さ範囲15kmを仮定)  S = 40kmx15km
 平均食い違い     D = Mo / μS = 3.0 m (μ=30GPa)
 応力降下      Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 9.3 MPa

● 解釈その他:震源は1992年6月28日のLanders地震(Mw7.3)の東側に位置します。
今回の地震モーメントはLanders地震の約1/2、兵庫県南部地震の約2.5倍です。
                           (文責:菊地・山中)