東大震研情報センター
◆遠地実体波解析(暫定版)◆ --------------------------------------------
3月28日インド北部の地震(Ms 6.6)
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● 概略・特徴: 3月29日午前0時35分(現地時間)インド北部でMs6.6の地震があり、 ウッタルプラデシュ州で少なくとも死者50人を越える被害があった模様です。 USGS(米国地質調査所)による震源諸元は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ マグニチュード 03/28 19:05:14 UT 30.49°N 79.29°E normal 6.6 (Ms) 6.3(mb) ● データ処理: IRIS-DMCのデータを地震研究所の準リアルタイムサービス (gopher) により収集しました。解析には21地点の広帯域地震計記録(P波上下動)を 用いました。観測点の方位分布は良好です。グリーン関数の計算にあたっては、後続 相の波形を考慮して、地殻の厚さを42kmとした構造を用いました。 ●結果:解析結果を図1に示します。主な震源パラメータは以下のとおりです。 走向、傾斜、すべり角 = (277, 16, 76)/(112, 75, 94) 北北東-南南西圧縮の逆断層型 地震モーメント Mo = 2.9 x10**18 Nm (Mw = 6.2) 破壊継続時間 T = 3.0 s 深さ(Centroid) H = 15 km 断層面積(双方向破壊伝播を仮定) L = 2x2.5km/sx2s = 10km S = LxL/2 = 5.0x10 km**2 くいちがい D = Mo/μS = 1.9 m (μ=30 GPa) 応力降下 Δσ = 2.5Mo/S**1.5 = 20 MPa ● 解釈その他:北北東-南南西圧縮の逆断層(北側へ緩傾斜または南側へ急傾斜の 断層面)です。震源の深さが15kmと比較的浅かったこと、応力降下がかなり大きい (短周期の波が大きく出る)地震であったことが家の倒壊に結びついたと考えられ ます。 (文責:菊地・山中)