東大震研情報センター
◆遠地実体波解析(暫定解)◆ ----------------------------------------------
7月17日パプアニューギニアの地震(Ms 7.0)
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● 概略・特徴: 7月17日夜(日本時間午後5時49分)、パプアニューギニア 北西部沿岸でMs7.0の地震がありました。この地震で西セピク州アイタペ地区は高さ 10メートルの大津波に襲われました。死者は1,000人を超えている模様です。USGSの 速報による震源諸元は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ マグニチュード 08:49:15 UT 3.10°S 141.80°E 33 km 7.0 (Ms) ● データ処理: IRIS-DMCのデータを地震研究所の準リアルタイムサービス (gopher) により収集しました。解析には11地点の広帯域地震計記録(P波上下動)を用いまし た。波形は比較的単純で、小さい初期破壊のあと、約20秒間の単発破壊です。 ●結果:解析結果を図1に示します。主な震源パラメータは以下のとおりです。 走向、傾斜、すべり角(全体) = (299, 88, 95) /(53, 6, 24) 地震モーメント Mo = 4.2 x10**19 Nm (Mw = 7.0) 破壊継続時間 T = 20 s 深さ(Centroid) H = 15 ± 5 km 断層面積 S = 40x15 km**2 くいちがい D = Mo/μS = 1.8 m (μ=40 GPa) 応力降下 Δσ = 2.5Mo/S**1.5 = 7.1 MPa ● 解釈その他:応力降下はやや高めでプレート内部地震の様相を示します。震源は かなり浅く求められます。メカニズム解はほぼ水平面と鉛直面にP波節面をもちます。 それぞれ、プレート境界の低角逆断層、プレート内部の鉛直断層に対応します。ど ちらがより波形の一致がよいか比較してみましたが、今のところ波形だけからは判 定できません。津波の規模Mt(阿部によると7.5)がMs,Mwのいずれよりも大きいこ とを考えると、鉛直の断層面の可能性が大きいのではないかと思われます。今後の 調査(地殻変動、余震など)が待たれます。 (文責:菊地・山中) (付録)日本地震学会98年秋季大会で発表予定の予稿原稿