東大震研情報センター
◆遠地実体波解析◆ ----------------------------------------------------
1月10日中国北東部の地震(Ms 5.7)
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● 概略・特徴: 1月10日昼前(現地時間)、中国の張家口の北西60km付近を震源 とする極く浅い地震がありました。報道によると、死者は47名、倒壊家屋は10万棟余に のぼるとのことです。USGSの速報震源諸元は次のとおりです。 発生時刻 震央 深さ マグニチュード 03:50:43 UT 41.33°N 114.71°E 5 km 5.7 (Ms) ● データ処理: IRIS-DMCのデータを地震研究所の準リアルタイムサービス (gopher) により収集しました。解析には8地点の広帯域地震計記録(P波上下動)を用いました。 データの質はあまりよくありません。 ●結果: 解析結果を図1に示します。メカニズムは東北東-西南西圧縮のほぼ純粋な 縦ずれ逆断層です。深さはかなり浅く求まりました。主な震源パラメタは次の通りで す。 走向、傾斜、すべり角 = (166, 62, 107)/(314, 33, 62) 地震モーメント Mo = 7.3 x10**17 Nm (Mw = 5.8) 破壊継続時間 T = 3.0 s 深さ H = 3 km 断層面積(L=2sx2.5x2=10km) S = 10x5 km^2 くいちがい D = Mo/μS = 0.49 m (μ=30GPa) 応力降下 Δσ = 2.5Mo/S**1.5 = 5.2 MPa ● 解釈その他: 規模は、昨年5月13日の鹿児島県薩摩地方の地震とほぼ同じ、応 力降下もほぼ同じです。震源も極く浅く、おそらくは鹿児島県の場合と同じような地震 動分布をしたと思われます。 (文責:菊地・山中)