EIC地震学ノート No.40                  Jan.13, 98

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析◆ ----------------------------------------------------

1月4日Loyalty 諸島の稍深発地震(Ms 7.0)

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● 概略・特徴:  USGSの速報震源諸元
  発生時刻          震央            深さ   マグニチュード
 06:11:51 UT       -22.17°N  170.51°E   100 km     7.0  (Ms)

● データ処理: IRIS-DMCのデータを地震研究所の準リアルタイムサービス (gopher)
 により収集しました。解析には11地点の広帯域地震計記録(P波上下動)を用いまし
た。明瞭な3連発地震です。

●結果: 解析結果を図1に示します。メカニズムを少し異にする3個のサブイベント
から成ります。1個目のメカニズムはあまりよく決まりませんので、2個目と同じにし
てあります。概ね北北東-南南西圧縮の逆断層です。主な震源パラメタは次の通りです。

 走向、傾斜、すべり角(全体)=  (337, 43, 133)/(105,60,57)
  地震モーメント     Mo  =  1.5 x10**20 Nm  (Mw = 7.4)
  破壊継続時間      T = 38 s 
 深さ          H = 98 km
以下、最大サブイベントについて
 断層面積(L=10sx3.0=30km)   S = 30x 15km^2
 くいちがい       D = Mo/μS = 4.0 m  (μ=64GPa)
 応力降下        Δσ = 2.5Mo/S**1.5 = 39 MPa

● 解釈その他: 3つのサブイベントからなります。このうち最初のサブイベントが
比較的ゆっくりした立ち上がりを示します。これと対照的に3発目は高応力降下を示し
ます。                                         (文責:菊地・山中)