東大震研情報センター
◆遠地実体波解析◆ ----------------------------------------------------
10月13日ギリシャ南方沖の地震(Ms 6.6)
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● 概略・特徴: 10月13日15時39分(現地時間)、ギリシャ南方沖合でMs 6.6の地震がありました。アテネでも有感であったようです。USGSの速報震源諸元は 次のとおりです。 発生時刻 震央 深さ マグニチュード 13:39:35 UT 36.3°N 22.1°E 10 km 6.6 (Ms) ● データ処理: IRIS-DMCのデータを地震研究所の準リアルタイムサービス (gopher) により収集しました。解析には19地点の広帯域地震計記録(P波上下動)を用いまし た。初めに1つの点震源を仮定してメカニズムを決め、次に、断層面を固定した波形 インバージョンでモーメント解放の時空分布を求めました。 ●結果: 解析結果を図1に示します。メカニズムは北東-南西圧縮のほぼ純粋な縦 ずれ逆断層です。深さはUSGS発表の値よりかなり深く求まりました。主な震源パラメ タは次の通りです。 走向、傾斜、すべり角 = (292, 22, 79) 地震モーメント Mo = 5.6 x10**18 Nm (Mw = 6.4) 破壊継続時間 T = 13 s 深さ H = 35 km 断層面積(L=2sx2.5x2=10km) S = 30x15 km^2 くいちがい D = Mo/μS = 0.2 m (μ=64GPa) 応力降下 Δσ = 2.5Mo/S**1.5 = 1.5 MPa ● 解釈その他: 何かと注目されるVAN法との絡みについては今のところわかりませ ん。メカニズムは典型的なプレート間の潜り込み型ですが、やや深すぎるように思わ れます。この辺のテクトニクスと比較検討する必要があります。 #ひところ、インターネットの通信事情により、IRISのデータを収集するのに数時 間を要していましたが、最近防災科学技術研究所のご厚意により、地震研のgopherに すばやくデータが入るようになりました。ご利用下さい。 (文責:菊地・山中)