東大震研情報センター
◆広帯域地震記録解析:改訂版◆ -----------------------------------
9月26日御前崎沖の地震(Mj 4.0)
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● 概略・特徴: 9月26日23時12分、御前崎沖を震源とするMj4.0の地震があ りました。気象庁発表の速報震源諸元は次のとおりです。 発生時刻 震央 深さ マグニチュード 23:12 JST 34.41°N 138.24°E 35 km 4.0 (Mj) ● データ処理: FREESIA(防災科学技術研究所)の6観測点: FUJ, JIZ, KFU, SGN, SMZ, NAA の記録を使いました。地震の規模があまり大きくないので、データの質は よくありません。沖合の地震として、この辺が波形解析の限界かと思われます。 ●結果: 解析結果を図1に示します。メカニズム解は、ほぼ鉛直と水平のP波節面 を持ちます。また最適の深さは25kmで、気象庁の速報値よりはやや浅めです。主な震 源パラメタは次の通りです。 発生時刻 23:12:21 走向、傾斜、すべり角 = (242, 83, -80) 地震モーメント Mo= 9.9 x10**15 Nm (Mw = 3.9) 破壊継続時間 T = 1.0 s 深さ H = 25km 断層長さ(Bilateral, v=2.5km/s) L = 2.5 km 断層面積 (W=0.5L) S = 3.1 x10^6 m^2 応力降下 Δσ = 2.5 Mo /S^1.5 = 0.45 MPa ● 解釈その他: 暫定解として2点 (SMZ & JIZ) の記録を使った解を出しましたが、 方位が極端に偏っていたため、信頼性の薄いものでした。本改訂版は、気象庁から発 表されたP波初動分布と調和的です。震源の位置から判断して、フィリピン海プレー ト内部の地震と考えられますが、その場合、起震応力はプレートの潜り込み方向の引 っ張り(Downdip-extension) を示しています。 (文責:菊地・山中)