東大震研情報センター
更新 97/05/23
◆遠近実体波形解析◆ ----------------------------------------
5月10日 イランの地震(Ms 7.3)
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● 概略・特徴: 新聞報道によると、死者2千人以上出た模様。 ● データ処理: IRISの観測点から広帯域実体波記録15点分を収集。 ●結果: 解析結果を図1に示します。 地震源パラメタ: 震央(初期破壊点) (33.95N, 59.91E) 走向, 傾斜, すべり角 = (156, 89, -179) 北北西-南南東走向、右横ずれ断層 (または東西走向、左横ずれ断層) 地震モーメント Mo = 8.6 x10**19 Nm Mw = 7.2 破壊継続時間 T = 29 s 断層面積 S = 50x15 km**2 深さ h = 13 km 食い違い D = Mo/μS = 3.8 m (μ= 30 GPa) 応力降下 Δσ = 2.5 Mo/S**1.5 = 10 MPa ●注釈:当初 USGS の速報震源:震央(33.65N, 59.74E)を用いて解析したのですが、 その後、P波の到達時刻から再決定したところ、震央は (33.95N, 59.91E) に なりました。また、破壊伝播は南南東-北北西西-とわかりました。従って、P波の 2つの節面のうち、北北西南南東の走向の面が断層面と推定されます。 この場合右横 ずれ断層です。 後のサブイベントほど大きいモーメントを解放しています。 (文責;菊地正幸)