EIC地震学ノート No.136     Jul. 21, 2003

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析(暫定版)◆ ------------------------------

 2003年7月15日インド洋の地震(M7.6)

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●概略・特徴:

    発生時刻           震央        深さ      M
 03/07/15 20:27  (UT)   2.56°S  68.3°E     10 km    7.6 

●データ処理:IRISのWebデータサービスWILBER-IIから収集した広帯域
地震計記録のうち、24地点のP波上下動、8地点のSH波を用いました。
波形は大変複雑で、多重震源の様相を呈しています。初めに、点震源を
仮定して、4個のサブイベントを決めました。その結果、北東方向に移
動する南北引張の横ずれ断層解が得られました。次いで、北東方向に走
向を持つ断層面を仮定して、断層すべり分布を求めました。

●結果:得られた結果を図1に示します。図2には波形を示します。
主な震源パラメータは次のとおりです。

走向,傾斜,すべり角  (35, 88, 157)
地震モーメント    3.4x10**20 Nm (Mw=7.6)
破壊継続時間     約70 s
断層面積(主要部)  120km×30km
食い違い(最大)   4.0 m
応力降下(主要部)  3.8 MPa
●解釈その他:
ここはインドプレートとアフリカプレートの境界に位置します。この付近では年間3cm 程度でプレートが拡大していて,インドプレートは北東方向に動いています。


http://web.clas.ufl.edu/users/mrosenme/Oceanography/Lectures/tectonic_processes.htm より

下の図は震源付近の様子を示したものです。複雑なトランスフォーム断層が存在します。赤い○の ところが今回の震源付近です。


http://geologyindy.byu.edu/faculty/rah/tectonics/Student%20Presentations/2000%20Fall/carlsbergridge/default.htm より

(文責:菊地・山中)