EIC地震学ノート No.133                May. 01, 03

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------

5月1日トルコ北東部の地震(Ms6.4)

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● 概略・特徴: 5月1日未明に、ビンギョル州でMs6.4の大地震が発生 しました。この地震で少なくとも死者100名以上、けが人も1000人以上に及ぶ 模様です。USGSによる速報震源は次の通りです。

     発生時刻           震央      深さ    Ms
 03/05/01 00:27:05 (UT)   39.0°N  40.5°E     10 km    6.4 
●データ処理: IRIS-DMCから収集した16地点の広帯域地震計記録(P波上下動) を用いて解析しました。

●結果: 結果を図1に示します。主な震源パラメータは 次のとおりです。

 走向、傾斜、すべり角 =  (66, 88, 5)      左横ずれ断層
 地震モーメント  Mo  =  4.2 x10**18 Nm  (Mw = 6.4)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 12 s
 深さ          H = 10 km
 主破壊の断層長          L = about 15 km
 断層面積            S = 15km x 10km
 食い違い       D = 0.7m
 応力降下      Δσ = 5.7 MPa

● 解釈その他:この付近で北アナトリア断層と東アナトリア断層が 交差しているちょっと複雑なところです。ここでは南からアラビアン プレートが押している南北圧縮場で、今回は東アナトリア断層が 動いたものと思われます。


NEIC HP より

この付近では1992年[PDF]にも M6.8の地震が起こり、500名程度の死者を出しました。 ただし1992年の地震は今回とは違う北アナトリア断層が動いた右横ずれの地震でした。
(文責:菊地・山中)