EIC地震学ノート No.130             Nov. 6, 2002

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------

 2002年11月4日日向灘の地震(Mj5.7)

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● 概略・特徴: 11月4日昼過ぎ1時36分、日向灘を震源とするMj5.7
の地震が発生、大分県で震度5弱を観測したほか、九州・近畿にかけて有感
でした。気象庁による速報震源は次の通りです。

   発生時刻      震央           深さ  M
 11/04 13:36 (JT)    32.4°N  131.9°E  35km 5.7

●データ処理:IRIS WILBER-IIから収集した広帯域地震計記録のうち、4地点
のデータ(P波上下動+SH)を用いました。反射相が比較的明瞭で、深さはよく
決まりそうです。点震源を仮定してメカニズム解を求めました。遠地実体波で
はすべり分布を求めるほどの分解能はありません。

●結果:得られた震源モデルを図1に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです。

 深さ        H = 35 km
 走向、傾斜、すべり角 = (218, 85, -105)
 地震モーメント   Mo = 3.0x10**17 Nm    (Mw = 5.6)
  破壊継続時間    T  = 4s
 断層長(2.5km/sx2s) S = 5km×5km
 食い違い      D = 0.3m
 応力降下     Δσ = 6.0 MPa

●解釈その他:沈み込む海洋プレート(スラブ)内部のDowndip extension の
地震と考えられます。             (文責:菊地・山中)