東大震研情報センター
◆遠地実体波解析(暫定解)◆ ------------------------------
2002年10月10日イリアンジャヤの地震(M7.1)
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●概略・特徴:10月10日夜8時少し前(現地時間)、イリアンジャヤの マノクアリ南方約300kmを震源とするM7.1の地震が発生しました。今のところ 被害状況はわかりませんが、規模からみて被害がでている可能性があります。 USGSによる速報震源は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ M 10/10 10:50:20 (UT) 1.71°S 134.16°W shallow 7.1 ●データ処理:IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録のうち、16地点の 実体波(P波上下動とSH波)を用いました。波形はやや複雑で、多重震 源の様相を呈します。初めに、メカニズム可変で3つのサブイベントを求 めました。いずれも横ずれ型のメカニズムが得られました。そこで次に、 断層面を固定して断層すべり分布を求めました。北東南西走向または北西 南東走向のうち、後者の方が、わずかに観測波形を良く説明しますが、確 定的ではありません。 ●結果:得られた震源モデルを図1に示します。 主な震源パラメータは次のとおりです。 深さ(破壊開始点) 21 km 走向,傾斜,すべり角 (147, 85, -174) 地震モーメント 2.0x10**20 Nm (Mw=7.5) 破壊継続時間 19 s 断層面積 50km×30km 食い違い(最大) 3.3 m (平均) 2.1 m (μ=64GPa) 応力降下 8.6 MPa ●解釈その他:南北圧縮、東西引張のほぼ純粋な横ずれ型断層です。破壊は 震源断層の南東端から北西方向に向かったと考えられます。 (文責:菊地・山中)