EIC地震学ノート No.123             June 22, 2002

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ ------------------------------

 2002年6月22日イラン西部の地震(M6.3)

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●概略・特徴:6月22日朝7時半ごろ(現地時間)、イラン西部(テヘランの西約
200km付近)で、ごく浅い中規模地震が発生しました。報道によると、少なくとも450
人以上(後日約230人と訂正)の死者、千人以上のけが人が出ている模様です。
USGSによる速報震源は次の通りです。

     発生時刻      震央           深さ  M
 6/22 02:58:21 (UT)    35.67°N  48.93°E   10km 6.3

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録のうち、4地点のP波上下動
とSH波を用いました。初めに、点震源でメカニズムを決定、次いで、断層面を固定し
て断層すべり分布を求めました。

●結果:得られた震源モデルを図1に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです。

 深さ        H = 7 km 
 走向、傾斜、すべり角 = (123, 53, 106)
 地震モーメント   Mo = 5.5x10**18 Nm    (Mw = 6.4)
  破壊継続時間 T  = 7s
 断層面積  S=20km×10km
 食い違い      D = 0.9 m
 応力降下     Δσ = 4.9 MPa

●解釈その他:北北東-南南西方向に圧縮軸をもつ、ほぼ純粋な逆断層です。地震の
規模は中規模ですが、震源がごく浅いため、局所的に大きな揺れを伴った可能性が
あります。                (文責:菊地・山中)