EIC地震学ノート No.114 Jan.03, '02

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析(改訂版)◆ ---------------------------

  2002年1月2日バヌアツ諸島の地震(Ms7.3)

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●概略・特徴: 3日未明4時22分(現地時間)、バヌアツ諸島を震源とするMs
7.3の地震がありました。本年最初のM7クラスの地震です。USGSの速報震源(QED)
は次の通りです。

  発生時刻          震央          深さ    Ms
 02/01/02 17:22 (UT)     17.78°S  167.83°E  shallow 7.3

●データ処理: IRIS-DMCの準リアルタイム波形データサービス(spyders)から23点
の広帯域実体波(P波上下動)記録を収集しました。初めに、点震源を仮定してメ
カニズム解を求め、次いで断層面を固定した波形インバージョンで断層すべり分布
を求めました。

●結果:図1に結果を示します。主な震源パラメーターは以下の通りです。

 (走向、傾斜、すべり角)=(358, 15, 69)
 地震モーメント   Mo = 8.5x10**19 Nm  (Mw = 7.2)
  破壊継続時間    T = 12 s
 破壊開始点の深さ    H = 38 km
 断層面積     S = 40×30 km**2
 食い違い  D mean = Mo /μS = 1.2 m (μ= 60GPa)
              Dmax = 1.9 m
 応力降下  Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 5.1 MPa

●解釈その他:ほぼ南北走向・東傾斜の低角逆断層解です。オーストラリアプレー
トの潜り込みに伴うプレート間地震と思われます。ただし、地震の規模の割に破壊
継続時間が短く、断層面積も小さめで、応力降下は大きめの値が得られました。
                    (文責:菊地・山中)