EIC地震学ノート No.107            Aug. 09, 2001

東大震研情報センター

地震波解析(暫定版)◆ ---------------------------

  2001年7月26日ギリシャの地震(Ms 6.3)

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●概略・特徴:26日未明2時21分(現地時間)アテネの北100km余を震源とする
Ms6.3の地震がありました。ギリシャではVAN法による地震予知の試みがなされてい
ることから、その参考情報として震源メカニズム解を提供します。USGSによる速報
震源は次の通りです。

  発生時刻          震央           深さ   Ms
 01/07/26 00:21:37.5(UT)    39.06°N  24.34°E   14km  6.4

●データ処理:IRIS-DMCから27点の広帯域実体波(P波上下動)記録を収集しま
した。地震規模の割にやや複雑な波形です。深さ一定の点震源を仮定して3個のサ
ブイベントを求めました。

●結果:図1に結果を示します。主な震源パラメーターは以下の通りです。

 震源の深さ    H0 = 8 km
 全体の(走向、傾斜、すべり角)=(58, 88, 176) (東西圧縮の横ずれ型)
    地震モーメント  Mo = 5.7x10**18 Nm  (Mw = 6.4)
     破壊継続時間    T = 11s
 正断層型サブイベントの(走向、傾斜、すべり角)=(108, 53, -63)
    地震モーメント  Mo = 0.45x10**18 Nm  (Mw = 5.7相当)

●解釈その他:主破壊はほぼ純粋な横ずれ型です。これに続いて、正断層型のサブ
イベントが得られました。モーメントは主破壊の約10%ですが、遠地P波に大きく
寄与するメカニズムであり、その存在は有意です。比較のため、このサブイベント
を含まない場合の結果を図2に示します。観測点TIXI,ATDなどで、20秒付近の
波形がうまく再現できていないことがわかります。
                              (文責:菊地・山中)

((reference))
YCU report #42