EIC地震学ノート No.96 Jan. 1, '01
東大震研情報センター
◆地震波解析(暫定解)◆ ---------------------------
2001年1月1日ミンダナオ島近海の地震(Ms7.2)
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● 概略・特徴:元日午後3時(現地時間)ごろミンダナオ島を震源とするMs7.2の 大地震が起こりました。USGSの震源速報は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ M 01/01 06:57:03(UT) 6.89°N 126.61°E shallow 7.2 ●データ処理:IRIS-DMCから10点の広帯域実体波(P波上下動)記録を収集しま した。パルス幅が約20秒の比較的滑らかな波形です。 初めに、点震源を仮定してメカニズム解を求め、次いで、2つのP波節面のそれ ぞれを断層面とみなして、断層すべりの時空間分布を求めました。 ●結果:メカニズム解はやや横ずれ成分を含む逆断層型(東西圧縮)です。2つの P波節面のうち、西傾斜の断層面がより良い波形一致を示しました。図1に結果を示し ます。主な震源パラメータは次のとおりです。 (走向、傾斜、すべり角)=(148, 46, 52) 地震モーメント Mo = 1.1 x10**20 Nm (Mw = 7.3) 破壊継続時間 T = 約20 s 破壊開始点の深さ H = 30 km 断層面積(余震分布)S = 50x30 km**2 食い違い D = Mo /μS = 1.8 m (μ= 40GPa) 応力降下 Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 4.7 MPa ●解釈その他:フィリピン海溝での潜り込むタイプのプレート間地震と考えられます。 被害状況が気になります。 (文責:菊地・山中)