EIC地震学ノート No.179 May. 05, 06 東大地震研究所 ◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 5月3日トンガの地震(M7.9) ----------------------------------------------------------------
● 概略・特徴: 5月3日15時26分(現地時間),トンガで
M7.9の地震が発生しました。
USGSによる速報震源は次の通りです.
発生時刻 震央 深さ M 06/05/03 15:26 (UT) 20.13°S 174.164°W 55 km 7.9
●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動38,SH波7)
を用いて解析しました.
●結果: 結果を図に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.
走向、傾斜、すべり角 = (210, 16, 110) 地震モーメント Mo = 1.4 x10**21 Nm (Mw = 8.0) 破壊継続時間(主破壊) T = 30 s 深さ H = 70 km 断層面積 S = 70 km x 60 km
●解釈その他:太平洋プレートがオーストラリアプレートの下に沈み込んでいる地震
多発地域で起こった地震です.今回の地震は深さが比較的深かったため被害が少なくて
すんだと思われます.津波が小さかったのもそのためでしょう.
メカニズムは逆断層型ですが,応力降下が高めであることからプレート境界の地震で
あったかどうかはもう少し検討する必要がありそうです.
(文責:山中)