EIC地震学ノート No.173             Nov 15, 05 
                               東大地震研究所 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

11月15日 三陸沖の地震(Mj6.9) 

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● 概略・特徴: 11月15日6時39分(JST),三陸沖で M6.9の地震が発生しました.大船渡では0.5mの津波が観測されています.

気象庁による速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央         深さ   M
 05/11/15 06:39 (JST)   38.0°N   145.0°E   ごく浅い  6.9

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動28観測点 )を用いて解析しました.

●結果: 結果を図1に示します。 主な震源パラメータは次のとおりです.


 走向、傾斜、すべり角 =  (212, 35, -89)
 地震モーメント  Mo  =  4.2 x10**19 Nm  (Mw = 7.0)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 15
 深さ          H = 11 km
 食い違い       Dmax = 1.6 m

●解釈その他:東京でも長い間揺れを感じ,これは大きいぞと目が覚めました. 震源の位置を聞いてちょっとびっくりしました.日本海溝の外側で起こった 地震です.今回の地震よりちょっと北側で1933年にMj8.1の地震が起きています が,今回の地震もこれと似た正断層型の地震です.どちらの節面が断層面か この解析だけからは判断しにくいですが,心持ちあいのよかった西傾斜の 断層面を仮定したときの結果を示しています.

(文責:山中)

コンター間隔は0.5m