EIC地震学ノート No.158 Nov 29, 04 東大地震研究所 ◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 11月29日釧路沖の地震(Ms7.1) ------------------------------------------------------------------- ● 概略・特徴: 11月29日3時32分(JST)に釧路沖でMs7.1の地震が 発生しました.この地震で釧路町などで震度5強を観測しました.また花咲 では0.1mの津波を観測したとのことです. 気象庁による速報震源は次の通りです. 発生時刻 震央 深さ M 04/11/29 03:32 (JST) 42.90°N 145.30°E 48 7.1 ●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動16,SH波2) を用いて解析しました. ●結果: 結果を図1に示します。 主な震源パラメータは次のとおりです. 走向、傾斜、すべり角 = (238, 33, 117) 地震モーメント Mo = 3.4 x10**19 Nm (Mw = 7.0) 破壊継続時間(主破壊) T = 10 s 深さ H = 48 km 断層面積 S = 15 km x 15 km 食い違い Dmax = 3.1 m ●解釈その他: プレートの沈み込みに伴うプレート境界の地震と考えられます. この付近では1961/08/12にもM7.2という地震がほぼ同じところで起きています. この付近でのプレートの沈み込み速度は約8.5cm/yearなので,61年から今回の 地震まで43年間では0.085mx43=3.66mとなり,今回の地震が61年の地震の再来地震 としてもおかしくはないことがわかります.本当に再来地震かを判断するには もう少し61年の地震について解析してみる必要があります.(文責:山中)
すべり分布.コンター間隔は0.5mで0.5m以上すべった領域を示している.
根室沖付近で起きたM7クラスの地震のアスペリティ分布.今回の地震は赤い 矢印のところ.黄色★が震央の位置.重なって見えにくいが,赤いコンターは 今回の地震のすべり分布.