EIC地震学ノート No.154              Oct 23, 04 
                             東京大学地震研究所

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

10月23日新潟県中越地方の地震(Mj6.8) 

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● 概略・特徴: 10月23日17時56分(日本時間),新潟県中越地方でMj6.8の
地震が発生し,小千谷市では震度6強を観測しました.この地震による死者は4人、
けが人は200人以上に上っているということです.かなりの被害が出ているようです.
この地震の後も震度6強を観測した余震が2回も起こっています.

気象庁による速報震源は次の通りです.

    発生時刻       震央        深さ   M
 04/10/23 17:56 (JST)  37.3°N   138.8°E    20.   6.8

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動41点)
を用いて解析しました.

●結果: 結果を図1に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (223, 57, 89)/(45, 33, 92)
 地震モーメント  Mo  =  8.5 x10**18 Nm  (Mw = 6.6)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 15 s
 破壊開始点の深さ    H = 8 km
 食い違い       Dmax = 1.2 m

●解釈その他:破壊開始の深さは約8kmで,破壊はそこから浅い方向に進みました.
そのため揺れが大きくなったものと考えられます.得られたメカニズムは逆断層型
地震ですが,2つの節面のどちらが断層面かはこの解析からだけでは判断がつきません.
内陸の地震なので今後余震分布がはっきりすれば断層面がどちらかも決められると
思います.今後の情報を待ちたいと思います.
どちらかというと北西傾斜の方が波形のあいがよかったのでここではこちらを載せて
います.地震が浅いので今後も多くの余震が起こることが考えられます.

                            (文責:山中)