EIC地震学ノート No.150 May 30, 04 東大震研情報センター ◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 5月30日の関東東方沖の地震(Mj6.6) ---------------------------------------------------------------- ● 概略・特徴: 5月30日5時56分(日本時間),関東東方沖でMj6.6の地震が 発生しました。 USGSによる速報震源は次の通りです. 発生時刻 震央 深さ M 04/05/29 20:56 (UT) 34.3°N 141.3°E 40. 6.6 ●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動29,SH波8) を用いて解析しました. ●結果: 結果を図1に示します。 主な震源パラメータは次のとおりです. 走向、傾斜、すべり角 = (279, 18, 172)/(17, 88, 72) 地震モーメント Mo = 4.0 x10**18 Nm (Mw = 6.3) 破壊継続時間(主破壊) T = 10 s 深さ H = 15 km 食い違い Dmax = 0.5 m ●解釈その他:ここは日本海溝と伊豆・小笠原海溝そして相模トラフが会する 「海溝三重点」の近くです.1953年11月に今回の震源付近でM7.4の地震が起こ っています.ただし,この地震は浅い正断層型の地震と考えられていて,津波 を伴いました.今回の地震は1953年の地震とは違う逆断層タイプです.2つの 節面のどちらが断層面かはこの解析からだけでは判断がつきません.
(文責:山中) 青丸は1930年以降に起きたMj6.0以上の地震.