EIC地震学ノート No.148              Feb. 28, 04 
東大震研情報センター 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

2月24日モロッコの地震(Ms6.5) 

---------------------------------------------------------------- 

● 概略・特徴: 2月24日2時27分(UT)にモロッコ北部でMs6.5の地震
が発生しました。周辺の村落は泥レンガ造りの家が多く、多数の人ががれきの
下敷きになったということです。約560人が死亡、300人以上が負傷したと
言われています.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央        深さ     M
 04/02/24 02:27  (UT)   35.20°N   4.00°W    shallow   6.5

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動34,SH波5)
を用いて解析しました.
●結果: 結果をに示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (18, 83, -27)
 地震モーメント  Mo  =  5.9 x10**18 Nm  (Mw = 6.5)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 15 s
 深さ          H = 9 km
 断層面積            S = 30 km x 20 km
 食い違い       Dmax = 0.3 m

●解釈その他: 今回の地震はモロッコの中では最も地震活動の高い地域
です.この付近にはほぼ北東−南西の走向をもついくつかの断層が
あります.これらのうちの1つが動いた可能性があります.浅いところ
でのすべり量が大きく、かなりの揺れがあったと思われます.


Serrano et al. (2003; Tectonophys. 367, 187-201)
                            (文責:山中) PS: この地震が起こったとき,私はちょっと長い休暇を取って解析ができない 環境にいました.新聞でこの地震で多くの被害が出ていることは知っていた のですが,解析が遅れてしまいました.菊地さんがいられたらこんなとき... と思ってしまいました.