EIC地震学ノート No.147              Feb. 07, 04 
東大震研情報センター 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

2月5日と7日のイリアンジャヤの地震(Ms6.8, Ms7.1) 

---------------------------------------------------------------- 

● 概略・特徴: 2月5日21時5分(UT)にパプア州(ニューギニア島)西部
のナビレ付近でMs6.8の地震が発生しました。この地震で建物の倒壊や土砂崩れ
などがあり、少なくとも26人が死亡、約680人が負傷したようです。さらに
2月7日2時42分(UT)にはMs7.1の地震が起こりました。

USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央        深さ      M
 04/02/05 21:05  (UT)    3.60°S   135.50°E    shallow   6.8
 04/02/07 02:42  (UT)    4.00°S   135.10°E    shallow   7.1

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(2/5:P波上下動21,SH波4;
2/7:P波上下動23,SH波5)を用いて解析しました.

●結果: 結果を図1(2/5),図2(2/7)に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.

2月5日
 走向、傾斜、すべり角 =  (48, 57, -10)
 地震モーメント  Mo  =  3.7 x10**19 Nm  (Mw = 7.0)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 20 s
 深さ          H = 24 km
 断層面積            S = 40 km x 20 km
 食い違い       Dmax = 1.7 m
  応力降下         Δσ = 4.1 MPa 

2月7日
 走向、傾斜、すべり角 =  (260, 85, -17)
 地震モーメント  Mo  =  1.4 x10**20 Nm  (Mw = 7.4)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 20 s
 深さ          H = 11 km
 断層面積            S = 50 km x 20 km
 食い違い       Dmax = 3.7 m
  応力降下         Δσ = 11.1 MPa 

●解釈その他: 5日の震源付近には北東−南西の走向をもつ左横ずれの
断層があります。また7日の震源付近にはほぼ東西の走向をもつ左横ずれ
の断層があります。ともにメカニズムの走向とよく合います。

http://www.agcrc.csiro.au/publications/9899/latrobe/431.htmlより

                            (文責:山中)