YCU地震学レポートNo.47 Oct.23,95
10月 9日 : メキシコの地震
10月18日,19日 : 喜界島近海の地震の遠地実体波解析
10月18日夜と19日昼前に,喜界島近海を震源とする地震が起りました。どち
らも喜界島では震度�后紛�震)を記録しました。とくに最初の地震では高さ3mほど
の津波も発生していた模様です。
USGS(アメリカ地質調査所)の震源情報はつぎの通りです。
日 時 震 央 深さ Ms
�� 95/10/18 17:37:24* 28.14N, 130.38E 28 km 6.9 (*)日本時間
�� 95/10/19 11:41:37* 28.41N 130.64E 36 km 6.9
当方の遠地実体波解析の結果は,この地震がプレート内の正断層タイプであること
を示しています。
結果を図1,図2に示します。震源パラメタは以下の通りです。
メカニズム モーメント Mw 継続時間 断層面積 ずれ
(φ,δ,λ) Mo T S D
�� (203,74,-82) 7.3x10**19 Nm 7.2 16 s 30x15 km**2 2.3 m
�� (200,77,-90) 2.3x10**19 Nm 6.9 16 s 30x15 km**2 0.7 m
おおむねハーバード大学のCMT解と調和的ですが,当方の地震モーメントは多少
大き目です。
ずれの量を見積るにあたっては,剛性率をμ=7.2x10**10Pa(上部マントルの値)
としました(D=Mo/μS)。今のところ,上の震源パラメタが観測された津波の大
きさを説明できるものかどうかはわかりませんが,μを小さくするとずれDはもっと
大きくなります。
2つの地震の断層メカニズムはほとんど同じで,かつ,破壊継続時間も同じ16秒
程度と求まります。このことは震源域の大きさ(断層面積)がほぼ同じで,ずれの量
だけが違っていたことを示唆しています。しかし,同じ断層が動いたかどうかはわか
りません。USGSの震央が正しいとすれば,19日の地震は18日の震源断層の
北北西延長上で起ったことになります。
プレート内部の地震の大きな特徴の1つは,応力降下が大きいということですが,
今回の地震も,少なくとも,18日の地震の応力降下は高めです。断層面積Sと地震
モーメントMoから,応力降下Δσは次のように見積られます。
Δσ=2.5 Mo/S**1.5
=19 MPa (=190bar)
この2年あまりの日本周辺の大地震を見るかぎり,上述のような地震の型
(プレート内かプレート境界か)と応力降下の対応関係は,非常にはっきり
してきたように思われます。
(MK)