YCU地震学レポートNo.40                               Apr.19,95

 
       4月18日  駿河湾の地震のメカニズム解析速報(暫定版)


4月18日20時26分,駿河湾北部を震源とする地震がありました。気象 庁の速報(暫定値)による地震諸元は次の通りです。 発震時:20:26 震央 :35.0°N 138.7°E 深さ: 20 km マグニチュード:5.1 横浜市立大学と防災科学技術研究所の広帯域地震計記録をダイアルアップで 収集し,波形の解析を行いました。まだ再考の余地はあるのですが,場所が場 所だけに,とりあえず当方の暫定解をお知らせします。 主破壊は主に2つのサブイベントからなります。このほかに小さい初期破壊 があります。主な震源パラメータは次の通りです。 嗣涓抑歡 メカニズム モーメント 継続時間 深さ(固定) (str,dp,rk) #1 (217,29,86) 2.2 x10**16 Nm 0.4 s 20 km #2 (210,30,79) 1.5 0.4 20 全体 (214,30,83) 3.7 x10**16 Nm 0.8 s (Mw = 5.0) 図1にメカニズム解,波形の比較を示します。 これを見てわかりますように,メカニズムは,北西−南東圧縮の低角逆断層 です。なお,もう少し長周期側の記録を使った解析がY.Iによってなされま したが,ほとんど同じ結果です。深さは,気象庁の暫定値に合せて,20 km と してあります。もしこれがもっと浅いとすれば,ユーラシアプレート/フィリ ピン海プレートの境界型の可能性があります。また,破壊継続時間は,この大 きさにしては大変短く,高い応力降下の地震であることを示しています。 いずれにせよ,かなり注意深い監視が必要ではないでしょうか。(MK)