YCU地震学レポートNo.28 Mar.15,94
3月11日神津島近海地震と3月10日フィジー島深発地震
1。3月11日神津島近海地震
伊豆半島東方沖の群発地震に注目し始めた矢先,今度は神津島近海でやや大
きな地震がありました。TVニュースによると,神津島では崖崩れや家の壁に
ひびが入るなど,多少の被害があったようです。
この周辺では毎年のように群発地震が起こっており,3年前に本ネットワー
クが稼働した後だけでも,91年5月,92年3月,同年10月に,M4の上
クラスを含む群発地震が起こっています。今回の地震はこれらの中で最大の地
震を含んでいます(継続期間はむしろ短か目?)。実は我々は1年ほど前から
神津島に地震計を設置しようと準備しているのですが,今回の地震はあたかも
それを催促しているかのようです。
ここでは3月11日12:12に起こった最大地震についての解析結果を報
告します。まず,防災科学技術研究所による震源速報は次の通りです。
Origin Time Lat. Lon. Depth Mag.
94/3/11 12:12:12.4 34.274 139.191 3.0km 4.8
波形解析にはJIZ,SMZ,HKYの3点の記録(それぞれ40秒間)を用
いました。結果を図1に示します。主な震源パラメタは次の通りです。
走向 傾斜 すべり角 Mo Mw 継続時間 深さ
332 83 -152 4.5x10**23erg 5.0 6 s 5 km
メカニズムはほぼ南北圧縮の横ずれ型です。
2。3月10日フィジー島深発地震
日本時間で3月10日あさ,かなり大きな深発地震がフィジー島で起こりま
した。しばらくしてHarvardから送られてきたCMT解には,
"This is now the largest deep earthquake in the CMT catalog. "
と補足されていました。QEDによる震源は次の通りです。
Origin Time=94/03/09 23:28:07 GT
Location Lat=17.7S, Lon=178.6W
Depth=567km mb=6.4
南関東のネットワークの記録を見ると,はっきりと2つの顕著な相が見えま
した。その後,IRISの記録を集めてプロットしてみると,明らかにメカニ
ズムの変化するマルチプルショックであることがわかりました。遠地P波のイ
ンバージョンの結果を図2に示します。ほぼ同じモーメントをもち,走向の少
しずつ異なる3個のサブイベントが得られました。全体の地震モーメントは
Mo=3.5×10**27dyne-cm (Mw=7.6)で,内訳は以下の通りです。
# φ δ λ Mo T h φ 走向
x10**27cgs sec km δ 傾斜
�� 26 77 -105 1.27 5 570 λ すべり角
�� 2 80 -113 1.21 6 570 T 継続時間
�� -8 88 -133 1.17 5 570 h 深さ
-----------------------------------------
全体 7 81 -116 3.47 12.4
(nonDC=-0.14)