EIC地震学ノート No.120             Mar.26, 2002

東大震研情報センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------

 2002年3月25日アフガニスタンの地震(M6.0)

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●概略・特徴: 3月25日夜7時26分(現地時間)、カブールの北約160kmを震
源とする M6の地震が発生、死者1800名以上の大被害が出た模様です。USGSによる速
報震源は次の通りです。

     発生時刻      震央          深さ    M
 3/25 14:56:37 (UT)    35.97°N  69.17°E  shallow 6.0

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録のうち、9地点のデータ
P波上下動 +SH)を用いました。P波記録は単純な波形をしています。点震源を仮定し
てメカニズム解を求め、次いで断層面を固定してすべり分布決めました。

●結果: 結果を図1に示します。主な震源パラメータは次のとおりです。

 深さ        H = 6 km 
 走向、傾斜、すべり角 = (191, 48, 111)
 地震モーメント   Mo = 1.1x10**18 Nm    (Mw = 6.0)
  破壊継続時間    T  = 4s
 断層長             S=10km×5km
 食い違い      D = 0.7m
 応力降下     Δσ = 7.8 MPa

●解釈その他:南北に延びる逆断層です。地震の規模の割に被害が大きくなった最大
の原因は、震源がごく浅かったことにあると考えられます。アフガニスタンではここ
数年の間に何度か甚大被害地震が発生しています(EIC-note#45参照, 1998/02/04;
1998/05/30)。
                             (文責:菊地・山中)