EIC地震学ノート No.115              Jan. 23, 02

東大震研情報センター

◆遠地波解析(暫定解)◆ -----------------------------

  1月22日ギリシャ・クレタ島近海の地震

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概略・特徴: 1月22日午前7時頃(現地時間)、クレタ島近海を震源とする稍深
発地震がありました。USGSの速報によると、エジプトのカイロでも有感であったとの
ことです。速報震源は次の通りです。

  発生時刻          震央             深さ   Ms
 02/01/22 04:53:53(UT)    35.71°N  26.71°E   99km  6.3


●データ処理: IRIS-DMCから17点の広帯域実体波(P波上下動)記録を収集しまし
た。まず点震源を仮定してメカニズムを決め、そのあと断層面を固定して断層滑り分
布を求めました。

●結果: 図1に結果を示します。主な震源パラメーターは以下の通りです。

 震源の深さ    H0 = 90 km
 (走向、傾斜、すべり角)=(97, 86, 53) (ほぼ鉛直断層面で北落ち)
 地震モーメント  Mo = 1.9x10**18 Nm  (Mw = 6.1)
  破壊継続時間    T = 約5s
 主破壊部分の断層面積  S = 10kmx10km
       平均滑り  D = Mo/μS = 3.6m (μ=64GPa)
       応力降下 Δσ = 2.5Mo/S**1.5 = 5 MPa

●解釈その他: 潜り込むプレートの内部の地震(downdip-extension)と考えられま
す。こういう稍深発地震もVAN法の関与する範囲でしょうか。
                            (文責:菊地・山中)