EIC地震学ノート No.101                  Mar.1, '01

東大震研情報センター

◆地震波解析(暫定解)◆ ---------------------------

  2001年2月28日ワシントン州の地震(Ms6.8)

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● 概略・特徴:2月28日10時52分(現地時間)ワシントン州オリンピア
北東を震源とするMs6.8の地震があり、建物の被害が出ている模様です。USGSの震
源速報は次の通りです。

  発生時刻        震央           深さ  Ms
 02/28 18:54:33(UT)     47.2°N  122.7°W     52  6.8

●データ処理:IRIS-DMCから10点の広帯域実体波(P波上下動)記録を収集しまし
た。初めに、点震源を仮定してメカニズム解を求め、次いで、2つのP波節面のそ
れぞれを断層面とみなして、断層すべりの時空間分布を求めました。今のところど
ちらが断層面かは判定できません。

●結果:図1に結果を示します。メカニズム解は東西引っ張りの正断層型です。図の左下には、
東傾斜の断層面を仮定した場合のすべり分布を示します。図の右が北です。主な震
源パラメータは次のとおりです。

 (走向、傾斜、すべり角)=(1,62,-99)/(200,29,-73)
 地震モーメント   Mo = 1.7x10**19 Nm  (Mw = 6.8)
  主破壊継続時間    T = 約7 s
 破壊開始点の深さ    H = 55 km
 断層面積(余震分布)S = 15x10 km**2
 食い違い      D = Mo /μS = 1.8 m (μ= 64GPa)
 応力降下    Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 23 MPa

●解釈その他:震央はファンデフーカプレートが北米プレートの下に潜り込む場
所に位置します。震源の深さ及びメカニズムからみて、ファンデフーカプレート内
部の正断層と思われます。規模の割に破壊継続時間が短く、高い応力降下を示しま
す。地震のエネルギー(正確にはモーメント)は兵庫県南部地震の約7割です。
                           (文責:菊地・山中)