EIC地震学ノート No.80 Jul.01, '00
東大震研情報センター
◆遠地波形解析(改訂版) ◆ -----------------------------
7月1日神津島近海の地震(M 6.4)
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● 概略・特徴: 7月1日午後4時ごろ、神津島近海を震源とする地震があり、神 津島で震度6弱(5.9)、新島で震度5弱を記録したほか、南関東・東海の広い範囲で 地震を感じました。これまでに土砂崩れで死者1名が出たとの報道がなされていま す。気象庁の速報震源は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ M 16:01(JT) 34.2°N 139.2°E 10 km 6.4 ●データ処理:IRIS-DMCの9点の遠地P波広帯域地震計記録を用いました。 ●結果:結果を図1に示します。主な震源パラメータは次のとおりです。 走向、傾斜、すべり角 = (352, 76, -15)/(86, 76, -166) 地震モーメント Mo= 2.0x10**18 Nm (Mw = 6.1) 破壊継続時間 T = 4.5 s 主要破壊の深 H = 7 km 断層面積(双方向伝播を仮定:L=3sx2.5km/sx2=15km;W=L/2) S = 15x7.5 km**2 食い違い D = Mo /μS = 0.44m (μ=40GPa) 応力降下 Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 4.2 MPa ●解釈その他:メカニズムは北東-南西引っ張りの横ずれ型断層です。概ねこの 周辺の広域応力場を反映したメカニズムです。余震は東西に拡がっていますので 東西方向約15kmに渡って走る右横ずれ断層が動いたと考えられます(図2)。三宅島 周辺のマグマ貫入に起因する応力によって誘発されたものと思われます。また、 今回の地震規模はこの付近で起こる地震の最大クラスです。 (文責:菊地・山中)