EIC地震学ノート No.184             Jan. 13, 2007
                         
東大地震研究所

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------

1月13日千島列島の地震(M8.2)

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● 概略・特徴: 1月13日4時23分(UTC),千島列島でM8.2の地震が発生しました. 日本の太平洋側では津波が観測されました.昨年11月15日に起きた地震の海溝側で 今回の地震は起きました.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央        深さ     M

 07/01/13 04:23  (UT)   46.288°  154.448°E    10km    8.2

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動38,SH波9) を用いて解析しました.
●結果: 結果をに示します。 主な震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (220,37,-108)
 地震モーメント  Mo  =  2.66 x10**21 Nm  (Mw = 8.2)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 約 50 s
 深さ          H = 7 km
 断層面積        S = 120 km x 30 km
 最大すべり量      Dmax = 26.2m

●解釈その他:
沈み込む太平洋プレート内で起きた地震です.正断層型のアウターライズ地震です. 昨年11月に起きた地震はプレート間地震でしたが,まさにその場所の海溝外側で 今回の地震は起きました.このように巨大プレート間地震が起きた後に正断層型の アウターライズ地震が起きることがあります. ここでは断層面を北落ちの方向をとりましたが,波形解析からは2つの節面のどちら が断層面であるかは判断できませんでした.今回は多少波形のあいのよい北落ちの節面を 断層面とした結果を示しています.

は震央,黄色いコンターは今回の地震のすべり分布. とコンターは昨年11月15日の地震の震央とすべり分布


                            (文責:山中)