EIC地震学ノート No.183             Nov. 15, 2006
                                                   Nov. 17, 2006 改訂
                         
東大地震研究所

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------

11月15日千島列島の地震(M8.3)

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● 概略・特徴: 11月15日11時14分(UTC),千島列島でM8.3の地震が発生しました. 日本の太平洋側では津波が観測されました.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央        深さ     M

 06/11/15 11:14  (UT)   46.683°  153.224°E    27km    8.3

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動35,SH波2) を用いて解析しました.
●結果: 結果をに示します。 主な震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (220,25,96)
 地震モーメント  Mo  =  2.1 x10**21 Nm  (Mw = 8.2)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 約 70 s
 深さ          H = 30 km
 断層面積        S = 200 km x 60 km
 最大すべり量      Dmax = 12.6m

●解釈その他:
典型的な逆断層の地震です.沈み込む太平洋プレートのプレート境界 で起きた地震です.1960年代以降この付近は巨大地震の空白域と言われていた領域でした. しかしNOAAによるとこの近くでは1915年にM8.3, 1963年にM7.5の地震が起きていたようです.
今回 の地震の南側では1963年にMw8.3の地震が起きています.1963年の震源域ではその後, 1991年(Mw7.5),1995年(Mw7.8)の地震が起きました.

は震央,はNOAAによる過去に この付近起きた巨大地震.括弧内はマグニチュード


                            (文責:山中)