EIC地震学ノート No.180 Jun. 12, 2006(改訂) 東大地震研究所 ◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 5月26日ジャワ島の地震(M6.3) ----------------------------------------------------------------
● 概略・特徴: 5月26日22時54分(UT),インドネシアのジャワ島で
M6.3の地震が発生しました。ジョクジャカルタの南方にあるバントゥール地域
では建物の70-80%が倒壊したという情報もあります.死者は5800名に達し,負傷者
も3万数千人にのぼるということです.
●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動31,SH波5)
を用いて解析しました.防災科技研の解析によると震源はもう少し被害地域に近い
所であることから,この震源情報を用いて再解析を行った.
●結果: 結果を図に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.
走向、傾斜、すべり角 = (61, 79, -13) 地震モーメント Mo = 5.0 x10**18 Nm (Mw = 6.4) 破壊継続時間(主破壊) T = 10 s 深さ H = 10 km
●解釈その他:震源時間関数をみるとはっきりと2発のマルチプルイベントであった
ことがわかります.最初の1発目は破壊開始点からやや深い方で破壊が起こり,
2発目は破壊開始点よりやや南西の浅いところであったことがわかります.
防災科技研
のHPを見ると被害がひどかった領域が震源の位置よりやや南西方向に広がっている
ことがわかります.これはこのあたりで震源が浅かったせいも関係しているかもしれません.
(文責:山中)