EIC地震学ノート No.166              Jun 17, 05 
                               東大地震研究所 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

6月15日カリフォルニアの地震(M7.0) 

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● 概略・特徴: 6月15日2時50分(UT),カリフォルニア沖で M7.0の地震が発生しました.

USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央          深さ   M
 05/06/15 02:50:54 (UT)  41.328°N    125.868°W  10 km  7.0

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動45観測点, S波9観測点)を用いて解析しました.

●結果: 結果を図1に示します。 主な震源パラメータは次のとおりです.


 走向、傾斜、すべり角 =  (321, 87, 176)
 地震モーメント  Mo  =  8.2 x10**19 Nm  (Mw = 7.2)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 20s
 深さ          H = 24 km
 食い違い       Dmax = 3.4 m

●解釈その他:南北圧縮軸をもつ横ずれ断層です.2つの節面のうち北西−南東 方向の節面を断層面とした方が波形の特徴をよく掴んでいるので今回はこちらの 面を断層面としました.
この地震はGordaプレートと呼ばれるJuan de Fuca(ファン・デ・ フーカ)プレートの南の部分の海洋プレートの中で起きた地震です.下図にある ようにこのプレートの西側はリッジ,東側は沈み込み帯,南は横ずれの断層と とても複雑な場所です.そのためこの海洋プレートの中では南北方向の圧縮力 が働いていると考えられています.この付近ではこれまでにも同じようなメカニズム の地震が起きています.
(文責:山中)

Wang, K., J. He and E. E. Davis (JGR,102,661-674,1997)より
は今回の震央