EIC地震学ノート No.159 Dec 07, 04 東大地震研究所 ◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 12月6日釧路沖の地震(Ms6.9) ------------------------------------------------------------------- ● 概略・特徴: 12月6日23時15分(JST)に釧路沖でMj6.9の地震が 発生しました.この地震で釧路町などで震度5強を観測しました.先日11月 29日に起きたMj7.1の地震のすぐそばで起きました. 気象庁による速報震源は次の通りです. 発生時刻 震央 深さ M 04/12/06 23:15 (JST) 42.80°N 145.40°E 46 6.9 ●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動30,SH波3) を用いて解析しました. ●結果: 結果を図1に示します。 主な震源パラメータは次のとおりです. 走向、傾斜、すべり角 = (222, 28, 108) 地震モーメント Mo = 1.4 x10**19 Nm (Mw = 6.7) 破壊継続時間(主破壊) T = 10 s 深さ H = 40 km 断層面積 S = 10 km x 10 km 食い違い Dmax = 1.7 m ●解釈その他: プレートの沈み込みに伴うプレート境界の地震と考えられます. 11月29日の地震のすぐ上隣で起こりました.下図は先日の地震(青)と今回の 地震(赤)のすべり分布です.規模としては先日より少し小さい地震でした. EIC地震学ノートNo.158(No.158+)で紹介したように11月29日の地震は1961年8月 12日に起きたM7.2の地震の再来と考えられます.このときも3ヶ月後の11月15日 にMj6.9という地震がすぐ隣で起きました.今回の地震もこの1961年11月15日の 地震の再来地震かもしれません.今後さらに検討したいと思います.(文責:山中)
すべり分布(赤).11月29日の地震のすべり分布(青)もあわせて示した. コンター間隔は0.5mで0.5m以上すべった領域を示している.青い●は11月29日 の気象庁による余震分布.