2009年度から「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」が始まった。課題の一つは、地殻やマントル活動のモニタリング及び、地震現象の包括的理解とモデル化に基づく予測シミュレーションを統合して、地震の時期・場所・規模を定量的に予測する「地震発生予測システム」の構築である。本研究集会では,主として統計モデルや物理モデルに基づく地震活動予測手法を活用して、今後の地震予知研究で基準となるような、いわゆる“標準予測モデル”構築へ向けた議論を行う。特に、本研究集会においては、東北地方太平洋沖地震前後の地震発生予測についてその課題や問題点を詳細に議論する。また、これまでに得られた地震発生予測検証実験のテスト結果についても議論を行う。 研究集会は2日間にわたる講演発表と議論からなる。また、研究集会後にビジネスミーティングを予定している。 また本集会は、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の平成25年度実施計画「地震発生予測のための地震活動評価手法の基盤構築 (課題番号:1406)」の一環として開催される。
プログラム 7月11日(木) 13:00-13:10 開会の挨拶 平田直 13:10-13:40 Operational earthquake forecasting in Italy and the link with the CSEP activities Warner Marzocchi (INGV) 13:40-14:10 東北地方太平洋沖地震前の地震活動の長期静穏化と験潮記録 勝俣 啓 14:10-14:40 前震に基づく東北地方太平洋沖地震の発生確率 前田憲二, 弘瀬冬樹 14:40-14:50 休憩 14:50-15:20 東北地方太平洋沖地震域で試みていた事前予測 山科健一郎 15:20-15:50 時空間更新過程モデルによる太平洋沖沈み込み帯の繰り返し地震の解析 野村 俊一(東工大), 内田 直希(東北大),尾形 良彦(統数研) 15:50-16:20 巨大地震後の相似地震活動に関する事後予測実験 岡田正実(気象研),内田直希(東北大),青木重樹(気象研) 16:20-16:30 休憩 16:30-17:00 前震の統計的識別による格段に大きな地震のリアルタイム確率予測 尾形良彦 17:00-17:30 統計的に有意と考えられる電磁気学的先行現象について 長尾年恭,鴨川 仁,織原義明,児玉哲哉 17:30-18:00 国立大学観測網地震カタログ(JUNEC)の初動を用いたメカニズム解の推定とその特徴 石辺岳男, 鶴岡弘, 佐竹健治 18:20- 懇親会 7月12日(金) 09:00-09:30 地震の検出率を考慮した本震直後の余震の確率予測 近江崇宏(東京大学生産技術研究所), 尾形良彦, 平田祥人, 合原一幸 09:30-10:00 余震系列中のb値変化推定 岩田貴樹 10:00-10:30 非定常ETASモデルによる地震活動異常の解析 熊澤貴雄, 尾形良彦 10:30-11:00 プレート間地震・プレート内地震の比率に基づく南関東地域M7級地震の地震活動モデル 井元政二郎, 藤原 広行 11:00-11:10 休憩 11:10-11:40 房総半島沖で繰り返すスロースリップと地震活動の関係 弘瀬冬樹, 前田憲二 11:40-12:10 Stability of Earthquake Clustering models: Criticality and Branching Ratios 庄 建倉 (統数研),Max Werner (Univ. Princeton), David Harte (GNS, NZ) 12:10-12:30 マッチスコアの評価性能について 鶴岡 弘 12:30-13:30 休憩 13:30- CSEP-Japanビジネスミーティング 13:30-13:50 テスト結果について 鶴岡 13:50-16:00頃 議論