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2011Test_j

第3回地震発生予測モデルの公募

地震活動評価に基づく地震発生予測研究グループ(事務局、東京大学地震研究所内同研究グループ)

文責:東京大学地震研究所 楠城一嘉、平田 直、鶴岡 弘、横井佐代子

最終更新:2011年8月

英語版ウエブページ

  1. はじめに

2011年3月11日に発生した2011年東北地方太平洋沖地震の影響を加味した地震発生予測モデルの公募を行う。

通常、1日・3ヶ月予測クラスのモデルの提出は3ヶ月おきに受け付けているが、2011年3月11日にM9クラスの巨大地震が発生したことを考慮して、モデルの再考を強く促すことを目的として改めて公募の案内を行うことにした。今回の公募に提出されるモデルは、2011年11月1日以降の予測実験の参加となる。第1回公募第2回公募

公募するテストクラス:1日・3ヶ月・1年予測

モデルの提出期限:2011年10月31日

提出方法:以下のファイルを「地震活動評価に基づく地震発生予測研究グループ」事務局(ZISINyosoku-submit@eri.u-tokyo.ac.jp)へ提出してください。

  • 地震予測モデル提出書(日本語英語
  • 地震予測モデル(プログラムコードまたは予測結果を出力したファイル。READMEファイルを添付)

また、既に提出しているモデルのエントリーを取り消す場合は、その旨を事務局にお知らせください。

  !! 注意 !! データへのアクセス

もし予測モデルの開発および最適化の目的のために気象庁一元化地震カタログが必要であれば、予測モデル提出前に検証センターへその旨を伝える。

2011年8月1日現在の状況

  • 現在使用できる確定カタログは、2011年2月28日までのデータが含まれている。
  • 2011年3月1日以降(2011年東北地方太平洋沖地震を含む)気象庁一元化地震カタログの作成状況は以下の通りである。
  • また、下限マグニチュード(Mc)の信頼性が通常の確定カタログほど保証されているとは限らない。カタログを使用する場合はこの点について理解されたい。
カタログの収録期間 マグニチュード 状況 公表 メモ
〜2011年2月28日 確定カタログ 公表済み
3月1日〜10日 M≧3 暫定カタログ 公表済み
3月11日〜12日 M≧5 暫定カタログ 公表済み
M≦5 処理中 未定
3月13日〜5月31日 M≧5 暫定カタログ 公表済み
4≦M<5 処理中 10月半ばの予定
3≦M<4 処理中 2011年末の予定
6月1日〜7月30日 M≧3 暫定カタログ 公表済み 東北の内陸:M>1.5 関東・中部:M>0.5〜1(ただし、房総沖から茨城県南部はM≧2)

  2. ルール説明

本実験は原則的にCSEP(Collaboratory for the Study of Earthquake Predictability)プロジェクトのルールに従う。これは、先行研究であるRELM (Regional Earthquake Likelihood Models)プロジェクトのルールと同じであるので、RELM特集号及び、CSEPウエブサイトを参照されたい。ここでは、日本に特化したルール等の詳細を説明する。

  • 2.1. 予測モデルの提案者と検証センター、予測検証実験の管理と結果の公表
    • 2.1.1. 予測モデルの提案者:地震の予測モデルを検証センター(2.1.2)に提出して実験に参加する研究者(以下、モデラーと言う)。検証センターの同意が得られなければ、実験開始後にモデルの棄権は許されない。提出モデルは2.3のテストクラスのいずれかに属する。
    • 2.1.2. 検証センター:地震研究所に構築されたCSEP計算機システムを用いて、予測検証実験を統括する機関。当センターは、予測モデルを受付け、モデラーと独立に予測精度の評価を行う。追試等を可能にするため、予測検証結果を保管する。
    • 2.1.3. 実験結果は、検証センターの管理するウエッブページで、実験参加者コミュニティーにパスワード付きで公開される。
  • 2.2. テスト地域
    • 2.2.1. 日本ほぼ全土と沿岸域を含む領域(図1: eps, jpg)。深さ <= 100kmにおいて、領域を0.1°x0.1°の小地域に区切り、それぞれの小地域において、予測期間に発生する地震数を予測する。
    • 2.2.2. 日本本土を含む領域(図2: eps, jpg)。 <= 30kmにおいて、領域を0.1°x0.1°の小地域に区切り、それぞれの小地域において、予測期間に発生する地震数を予測する。
    • 2.2.3. 関東を含む領域(図3: eps, jpg): <= 100kmにおいて、領域を0.05°x0.05°の小地域に区切り、それぞれの小地域において、予測期間に発生する地震数を予測する。
  • 2.3. テストクラス
    • 2.3.1. 1日予測:テスト地域内の個々の小地域において、1日の長さを持つ予測期間に起きる、各々のマグニチュードm=4.0, 4.1, 4.2, …, 9.0の地震の個数。マグニチュードm=4.0にとっての地震数とは、3.95<=m<4.05のマグニチュードを持つ地震の個数を意味する。他のマグニチュードも同様。
    • 2.3.2. 3か月予測:予測期間の長さ以外は(2.3.1)と同じ。
    • 2.3.3. 1年予測:予測期間の長さとマグニチュードの範囲(m=5.0, 5.1, 5.2, …, 9.0)以外は(2.3.1)と同じ。
  • 2.4. 予測の対象となる地震カタログ: テスト領域(2.2)・テストクラス(2.3)に関わらず、気象庁震源カタログに収められる、最終的に確定された地震。デクラスタリングは行わない。
  • 2.5. 検定方法: テスト領域(2.2)・テストクラス(2.3)に関わらず、CSEPで採用された検定手法を用いる(CSEPウエブサイトを参照)。標準的な手法は、尤度に基づくNテスト、Lテスト、Sテスト, Mテスト, Rテスト(Schorlemmer et al., 2007, Zechar et al, 2010)である。CSEPの手法は、予測された地震活動と実際に予測期間に起きた地震活動の類似性を定量化して、モデル間の予測結果の比較を可能にする。

  3. 地震予測モデル提出

プログラムコードまたは予測結果を出力したファイルを提出する。

モデル提出前に、テスト地域(2.2)・テストクラス(2.3)に応じて、以下の二つのファイル(a)と(b)をダウンロードする。

  • (a)地震の個数の予測値を求める位置のリスト(緯度と経度のペアのリスト)が示されているファイル(GridMLと呼ぶ)。
  • (b)予測結果の出力形式(XML形式: ForecastMLと呼ぶ)のテンプレート
    • テンプレートのファイルサイズが大きいため、圧縮されたファイルと圧縮されていないオリジナルファイルを用意した。後者のオリジナルファイルについては、右クリックをして表示されるメニューリストから“名前を付けてリンク先を保存”を選択して、ダウンロードする。
    • テンプレートのファイルサイズが大きいため、XML editorではファイルを開く処理に時間がかかる場合がある。そのときは、WordPadなどのワープロソフトを使用すると比較的短時間で開ける。

(a)の位置で予測値を求める。例えば、小地域の大きさが(2.3.1)のように0.1°である時、(122.45 24.15)は東経122.45°、北緯24.15°で与えられる位置を示し、四隅が(122.4 24.1)、(122.4 24.2)、(122.5 24.2)、(122.5 24.1)の地域の中心である。そして、(b)の形式で結果を出力できるように、予測モデルのプログラムコードを書き換え、検証実験へ適合するようにする。つまり、出力結果をそのテンプレートに書き込むのではなくて、そのテンプレートが示すように結果をファイルに書きだすことができるようにプログラムコードを改良する。

その後、モデラーは検証センターのスタッフと共同しながら、プログラムコードを計算機システムへ取り込み、稼動できるようにする。

1年(2.3.3)について、もしモデラーがプログラムコードの提出を好まない場合、最終提出物は(b)のForecastML形式で予測結果を出力したファイルとする。ただし、次回開催予定の実験で、同一のモデルを用いて出力された結果ファイルを提出したとしても、そのモデルは新規参加モデルとみなされることを理解しなければならない。これは、本実験と次回実験で用いるモデルが同一である保証がないことによる。

  4. 問合せ先

〒113-0032 東京都文京区弥生1−1−1 東京大学地震研究所内「地震活動評価に基づく地震発生予測研究グループ」事務局及び、地震発生予測検証実験センター(平田直、鶴岡弘、楠城一嘉、横井佐代子)

  5. 図の説明

  • 図1 日本ほぼ全土と沿岸域を含む地域(2.2.1)。青色の地域で検証実験を行う。記号+の位置で予測値を求める。ダウンロード (eps, jpg)
  • 図2 日本本土を含む地域(2.2.2)。図1のキャプション参照。ダウンロード (eps, jpg)
  • 図3 関東を含む地域(2.2.2)。図1のキャプション参照。ダウンロード (eps, jpg)