〜IT強震計でみた建物の揺れ〜

2007年8月16日千葉県東方沖の地震M5.3の地震時の
地震研究所の 建物の揺れの再現(速報
(Java アニ メーション
2007年8月16日千葉県東方沖の地震の余震M5.0の 地震時の
地震研究所の 建物の揺れの再現(速報
(Java アニ メーション

2007/08/17  
東京大学地震研究所 鷹野  澄
応用地震計測 伊藤 貴盛
解説>
  2007年8月16日4時15分ころに発生した千葉県東方沖の地震(M5.3)による、地震研究 所の3種類の建物の揺れを、IT強震計の 観測データからアニメーションで再現しました。この地震のときの、気象庁発表の文京 区本郷の震度は、震度2でした。IT 強震計 の観測記録からこの揺れを再 現してみると、それぞれの建物の揺れ方が異なることがよくわかりま す。

<各建 物の揺れの概要>
   免震建物(1号館:右側奥の建物)の揺れの 概要 
 免震建物では、一階床下の免震層から上の建物全体が並行にゆっくりと揺れます。 上部の建物は、地面の揺れとあまり関係なくゆったりと揺れており、免震の効果 がよく見えています。 なお、免震建物は揺れないものと思われていますが、こうして実際に計ってみると、建物全体がゆっくりと揺れることがよくわかりま す。
   鉄筋コンクリート造(2号館:左の長い建物)の 揺れの概要
 鉄筋コンクリート造のごく一般的な建物です。通常は、上階ほど大きく揺れます。このため、左側の長い建物の揺れをよく見る と、下の階から上の階に向けて扇状に揺れている様子がよく見 えます。震度で見ると上階の震度が地表の震度より1ぐらい大きくなることもあります。
   鉄骨造(3号館:右側手前の小さな建物)の 揺れの概要
 鉄骨造の建物は、H形や□形、I形などの鉄骨を組み合わせたもので、鉄筋コンクリート造に比べて風や地震などで揺れやすいと考えられていま す。実際に右側手前の建物の揺れをみると、確かに大きく揺れているの がわかります。また、上階ほど急激に大きく揺れて、さらに、少しねじれの入った複雑な揺れかたをすることもわかりました。

<様々な地震のときの建物の揺れ方の違い>
  以下をクリックして下さ い. 【注意】:最初だけ、Javaの起動 に1〜2分かかります。

注意: 建物の大きさに比べて揺れの大きさを1万倍以上拡大し て表示しています。
遠 くの地震による揺れ
震度
2007/07/16 10:13  37.5, 138.6  17km 中越沖 M6.8  約4分 震 度2
2007/03/25 09:42  37.2, 136.7  11km 能登半島 M6.9   約 4分 震 度1
2007/01/13 13:28  46.1, 154.2  30km 北太平洋 M8.2  約8分 震 度0
近 い地 震の場合の揺れ

2007/08/16 04:15  35.4, 140.6  30km 千葉県東方沖 M5.3 New 震 度2
2006/08/31 17:18  35.6, 140.0  70km  東京湾 M4.8  震 度3
2006/06/20 06:47  35.8  140.1   66km  千葉県北西部 M4.6 震度2
2006/06/02 11:31  34.9  139.2  145km  伊豆半島東方沖 M4.2 震度1
(震度は気象庁発表の文京区本郷の震度)       
  近い地震では、スロー再生すると、それぞれの建物の揺れの違いがよく見えます

      [アニメーションの操作方法] 画面の下の以下のボタンを押す
         >>−  スロー再生    >>+ 高速再生   Start 最初 か ら再生


注:IT強震計の表示機能は、Java2アプレットを利用しています。表示できない場 合は、Windowsの場合は、 sun からJRE最新版をダウンロードしてインストール してください。MacOSXの場合は、標準で対応しています。

  <建 物とセンサー位置の概要>
SensorLocation

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