EIC地震学ノート No.149              May 30, 04 
東大震研情報センター 

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ -------------------------------------- 

5月28日のイランの地震(Ms6.3) 

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● 概略・特徴: 5月28日5時8分(現地時間)にイラン北部でMs6.3の地震が
発生しました。この地震で少なくとも35人が死亡、負傷者も約250人に達して
いるようです.

USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻           震央        深さ   M
 04/05/28 12:38:46 (UT)  36.28°N   51.57°E    28.3   6.3

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動16,SH波5)
を用いて解析しました.

●結果: 結果を図1に示します。
主な震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (126, 37, 92)
 地震モーメント  Mo  =  2.9 x10**18 Nm  (Mw = 6.2)
  破壊継続時間(主破壊) T  = 10 s
 深さ          H = 10 km
 断層面積            S = 20 km x 15 km
 食い違い       Dmax = 0.5 m

●解釈その他: 震源付近にはアラビアプレートとユーラシアプレートのプレート
境界域で,北西−南東の走向をもつ北アルボルツ断層(逆断層)があります。
この走向は今回の地震メカニズムの走向とよく合います。

図2:http://www.iiees.ac.ir/English/Baladeh_e/baladeh_e.htmlより

図3:図2の震源付近とすべり分布を重ねてプロットした.

                            (文責:山中)