EIC地震学ノート No.62 August 17, 99
東大震研情報センター
◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
8月17日トルコの地震(Ms 7.8)
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● 概略・特徴: 8月17日午前3時1分(現地時間)トルコのイズミット市の近く を震源とするMs 7.8 (USGS)の地震が発生しました。報道によると、死者800名以上、 負傷者数千名にのぼるとのことです。USGSによる震源諸元は次の通りです。 発生時刻 震央 深さ Ms 08/17 00:01:40 UT 40.54°N 29.59°E shallow 7.8 ● データ処理: なぜかIRIS-DMCのデータが自動収集されなかったため、手動で収集 しました。とりあえず7地点の広帯域地震計記録(P波上下動)を用いて解析しまし た。観測点分布が偏っていますので、空間の分解能はよくありません。波形を見たと ころ、ほぼ単発の震源であることがわかります。 ●結果:結果を図1に示します。主な震源パラメータは次のとおりです。 走向、傾斜、すべり角(全体) = (270, 82, -179) 地震モーメント Mo = 1.5 x10**20 Nm (Mw = 7.4) 破壊継続時間 T = 12 s 深さ H = 10km 断層長(双方向伝播、V=3km/sを仮定)L = 10x3x2 = 60km 断層面積(W=20kmと仮定) S = 60km x 20km 食い違い D = Mo / μS = 4.2 m 応力降下 Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 9.1 MPa ● 解釈その他:北アナトリア断層に沿った、東西走向の典型的な右横ずれ断層です。 破壊継続時間は、4年前の兵庫県南部地震のそれと同程度ですが、地震モーメントは 6倍強です。短時間に大きなエネルギーが放出されました。 (文責:菊地・山中)